パンを三つも焼く日には,オーブンを無駄なく使いたい。そのためには,その日の作業工程を設計する必要がある。
工程設計というと難しい言い方をしているが,これは,職業柄くるためで,メモ書きが必要であるという意味である。
こんな簡単なものだ。

オーブンの予熱を始めたら冷やすようなことはしたくない。電気代の無駄になるからだ。
だから,一気に焼きの工程を進める。
生地によって二次発酵時間が異なる。また,パンによって焼く温度も異なる。できれば,高い温度において焼くパンを先に焼いてしまって,低い温度を後にしたい。その方が,オーブンの予熱は楽になるはずだ(これはあくまで推定でしかないが)。
舟田詠子さんの著書,パンの文化史 (講談社学術文庫)(2013/12)には,スイスだったかドイツだったかの村において,パン焼き窯が,村で共同で使っていた頃まで,窯を管理する村の役人がいて,複数の人が1日にパンを焼こうとする場合には,くじ引きで公正を期していたと紹介されている。当時のパン焼き窯は薪を使う窯だから,最初の人は薪を多く使わないと窯を温めることができない。一方,窯はすでに暖かいから,順番の遅い人は薪の量を減らすことができる。折角集めた薪を使う量は少なくしたいのは,家庭の光熱費を気にする現代人と変わらない。だから,公正にくじ引きをしたのだという。
工程設計は,機械屋の得意とするところである。
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