パン作りにおける食塩の計量について

パン作りは,すべての工程にトラップ(罠)が潜んでいる。

パンは発酵食品であるから,その初めの工程である「計量」を失敗すると,以降の工程すべて台無しなる。

一方,ドウ(パン生地)の発酵は酵母であろうが乳酸菌であろうが,化学反応であるので,粉量を増やしたり・減らしたりしたら,全ての材料を粉量に合わせて比例させて増減すれば良い。ただし,粉量に合わせて,発酵時間の調整は必要となるが。

さて,食塩の量も粉量に合わせて増減させれば良いのであるが,一般に,食塩の量(重さ)は,粉量(重さ)の2%前後とされる。

志賀勝栄さんの「酵母から考えるパンづくり」によれば,バケットとパン・ド・カンパーニュの場合に2.1%となっている(それぞれ,42頁,156頁)。志賀さんの本は,粉量が2kgとかのパン屋さん向けのレシピになっているから,家庭において,それらのレシピを参考に材料の量を調整しなければならない。

その際,面倒なのが,食塩の量である。

食塩の量はパンの味を左右する。そして,面倒なことに,「人の感覚」というのは,直線的ではなく,「対数的」である。

騒音や振動の大きさは,一般にデシベル(dB)という単位が用いられる。2倍=+6dB,10倍=20dBといった具合である。一方,0.5倍=−6dB,1/10=−20dBといった具合である。これは,人の聴覚や触覚がでジベルの方が表しやすいためである。一般に,静かな図書館は60dB以下の騒音レベルとされる。一方,100dBを超える騒音レベルでは,人は,苦痛に感じる。

デシベルは,対数を使った単位であるのだが,どうも,これが,人の感覚に合っている。高校で習う対数を社会でどこに使うのかというと,こんなところで使われている。勉強は無駄になることはない。

さて,発酵は,材料の比例で良いと上に記したが,「味覚」は「聴覚」や「触覚」と同様におそらく「対数的」である。特に,日本人は,微量な「旨味(=アミノ酸の味)」を感知する。

リーンなパンは酵母や乳酸菌発酵によってドウにアミノ酸などが多く含まれるから,食塩によってその味を消し去りたくはない。

2kgの粉量の2.1%の食塩は,42gであるが,250gの粉量では,5.25gとなる。これを,表に示すと表1のようになる。2%の食塩量は,1g刻みで変化するが,1.5%ともなると,0.1g刻みで計量が必要となる。

表1 粉量に対する食塩量
表1 粉量に対する食塩量

表1をグラフにしてみる。まずは,一般的なグラフ(図1)にする(リニアスケール)。

図1 粉量に対する食塩量
図1 粉量に対する食塩量

図1において,2%±0.2gのプロットも示したが,わかりにくい。そこで,図1の縦軸を対数にしてみる。つまり,片対数グラフである(図2)。

図2 粉量に対する食塩量(縦軸対数)
図2 粉量に対する食塩量(縦軸対数)

さらに,食塩量2%の場合のみを拡大してみる(図3)。

図3 粉量に対する食塩量2%の場合
図3 粉量に対する食塩量2%の場合

図3から食塩量±0.2gの差は,粉量が多いほど影響しそうなことが推察できる。

さらに,表1の粉量と食塩量の比を以下のようにデシベル(dB)により示してみることにする。

[(食塩量)/ (粉量)] (dB) = 20log×[(食塩量)/ (粉量)]

すると,表2のようになり,グラフにすると図4のようになる。

表2 粉量に対する食塩量の比
表2 粉量に対する食塩量の比
図4 粉量と食塩量の比(縦軸デシベル)
図4 粉量と食塩量の比(縦軸デシベル)

図1と図4は同じ関係なのであるが,粉量と食塩量の比を取って,デシベル表記した違いのみである。図4の食塩量2%の場合を拡大してみる(図5)。

図5 粉量と食塩量の比(2%付近縦軸拡大)
図5 粉量と食塩量の比(2%付近縦軸拡大)

図5は図3に対応する。図5の±0.2gを±1gにしてみたのが,図6である。

図6 粉量と食塩量の比(2%付近拡大および±1g)
図6 粉量と食塩量の比(2%付近拡大および±1g)

食塩量の計量のばらつきが粉量が少なくなると,その影響が大きくなることが図5と図6からわかる。

ところで,一般的なクッキングスケールは秤量が1gであったり,2gであったりする。Amazonでクッキングスケールを検索してみると,下のタニタのクッキングスケールが一番最初に出てきた。

図7 タニタ デジタルクッキングスケール 1kg ホワイト KD-187-WH(Amazon¥1,098:2016/3/30現在)

上記のクッキングスケールの秤量(分解能)は1gである。よって,図7のクッキングスケールを用いて粉量250gのドウを作ろうとすると,図5より図6に近い食塩量のばらつきになる(実際には,秤量1gなので,250gの粉量に対して,食塩量は5±0.5gとなる。)

そのため,クッキングスケールを少しだけ高価なものにする。すると,秤量0.1gのモノがある。

図8 タニタ デジタルクッキングスケール 3kg(0.1g単位/300gまで) ホワイト KD-320-WH(Amazon ¥1,885: 2016/4/30現在

新しくクッキングスケールを購入する場合は,高価と言っても少しの差であるから,図8のように秤量0.1gのモノを入手すべきである。

しかし,すでに,クッキングスケールを持っていて,それが,1g秤量の場合に,買い直すのはもったいない。私がそうであった。

そう考えて,近所のホームセンター(ケーヨーD2)において以下のクッキングスケールを見つけて,使っている。

図9 DRETEC 【容器を使わず手軽にはかれる】 スプーンスケール ホワイト PS-031NWT
図9 DRETEC 【容器を使わず手軽にはかれる】 スプーンスケール ホワイト PS-031NWT

図9のDRETEC PS-031を使うと,以下のような計量ができる。ただし,このクッキングスケールの秤量は0.2gであるため,以下の計量は0.1±0.2gの正しさである(まぁ,これは,細かい専門的なことではあるが)。

図10 食塩0.1gの計量の例
図10 食塩0.1gの計量の例

このクッキングスケールはドライイーストを計量する場合にも利用価値がある。

 

図11 ドライイースト0.1g計量の例
図11 ドライイースト0.1g計量の例

ケーヨーD2で幾らで買ったのか,失念したが,Amazonでは¥1,620(2016/3/30現在)である。もう少し,安価に買ったような気がする。

DRETEC 【容器を使わず手軽にはかれる】 スプーンスケール ホワイト PS-031NWT(Amazonでは¥1,620: 2016/30現在)

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一週間におけるリキッド・ルヴァンの種継ぎパターンについて

私は,一週間のうち1日にまとめて数種類のパンを焼く(例えば,過去記事:パンを焼く日(2016年3月20日週のパン四種類))。そのパンのほとんどにリキッド・ルヴァンを使用している。

このような場合,リキッド・ルヴァンの種継ぎはとても面倒なものとなる。

以前は,週に何日かパンを焼いていたため,その都度種継ぎをすれば済んでいたが,週に1日しか焼かないということは,ドウ(パン生地)を作るのも週に1日のみである。

リキッド・ルヴァンのようなサワー種に分類される発酵種は乳酸菌がその主要成分であるから,そうは長く保たせることができない。

ライ麦粉のみから起こすサワー種であれば,「乾燥」という方法により保存が効く(舟田詠子著「パンの文化史 (講談社学術文庫)」pp. 68-71)ようであるが,取り扱いが容易なリキッド・ルヴァンではそうはいかない。

リキッド・ルヴァン中の乳酸菌寿命は不明である。しかし,一週間を保たせることは難しいであろう。そうなると,週に複数回の種継ぎが必要になる。

一方,ドウを作る際には,できるだけ「活きの良い」種を使いたい。そうやっているうちにできたリキッド・ルヴァンの種継ぎパターンが以下のようなものである。

一週間に1日しかパンを焼かない私のリキッド・ルヴァン種継ぎパターン
一週間に1日しかパンを焼かない私のリキッド・ルヴァン種継ぎパターン

パンを混捏するのは週末金曜日か土曜日である。焼成日は土曜日か日曜日である。そうなると,金曜日にはリキッド・ルヴァンをそれなりの量が欲しい。

リキッド・ルヴァンの種継ぎはほぼ1日でできるから,水曜日〜木曜日に粉量100g以上により種継ぎする。粉量の1.1倍の水を加えるから,リキッド・ルヴァンは220g以上できることになる。容器はボウルである。

リキッド・ルヴァン 種継ぎ完了後(約23時間)
リキッド・ルヴァン 種継ぎ完了後(約23時間)

元種は,パン焼成日となる土曜日か日曜日の翌日に行う。粉量は30〜50gである。元種は,ドウ混捏日に残った分を全て入れてしまう。これで,およそ,150g〜200g程度の種継ぎになる。容器は,ポリプロピレン製のタッパーを利用している(ダイソーのもの)。ボウルでは大きすぎるのである。

粉量少量のリキッド・ルヴァン種継ぎ完了後の状態
粉量少量のリキッド・ルヴァン種継ぎ完了後の状態

それを,水曜日の元種にする。すると,木曜日には,約350gを超えるくらいのリキッド・ルヴァンができることになる。

この方法で,三週間ほど種継ぎを行っているが,また,どうにかパンを作れている。

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パン用発酵種保存瓶のコンタミ防止の合理的な方法はありますか?

果実パン用発酵種をガラス瓶で種おこしと保存を行っていますが,悩みは,コンタミ防止策です

細菌の知識がないため,我ながら,面倒な工程を組んでいます。

合理的な方法をご存知の方らいらっしゃいましたら,是非,ご教示いただきたく,本記事を投稿致しました。

現状の工程を以下に示します。問題点もご指摘頂ければ幸いです。

写真はジャム用ですが,発酵種用も同じ工程です。

工程1:瓶と金属蓋煮沸 80 °C以上× 10分目安

DSCN7514.jpg
瓶を鍋で煮沸 80°C以上で10分目安

工程2:ザルに引き上げる。

DSCN7516
煮沸が10分経ったらザルに引き上げます。

工程3:熱いうちに直ぐ蓋を締める。

DSCN7518.jpg
瓶が熱いうちに直ぐ蓋を閉めて自然に冷めるのを待ちます。

工程4:瓶が手で触って熱くない程度まで覚めたら,キッチン用アルコールを瓶内部と蓋内側に噴霧しています。消毒用アルコールを使いたいところですが,キッチン用アルコールより高いので,使わずにいます。直ぐに蓋を閉めて,そのまま保管しています。

DSCN7519
キッチン用アルコールを瓶内部と蓋に噴霧しています。

リーンなパン(その51:発酵種水分のみのパン〜無塩プチパン試作2〜 )

パンの仕様:中種をそのまま焼いたパンとなる。

1.材料

・強力粉:150 g (昭和産業 強力粉 カナダ産小麦 一等粉)。

・薄力粉: 50 g  (奥村製粉 薄力粉 STAR SELECT ブランド 原産地不明 一等粉)。

・ルヴァン種(リキッドルヴァン):52 g

・レーズン発酵種(液):30 g

・りんご発酵種(液):70 g

・食塩:無し。

・水:無し。

※発酵種の水分のみにより加水率:63.6 %相当。

DSCN7539

2.一次発酵:室温(約16 °C)× 約17 h。

DSCN7541
一次発酵開始 2016/2/18 20:21
DSCN7559
一次発酵終了 2016/2/18 13:19

3.二次発酵:室温(約23 °C)× 約 2 h。

DSCN7563
二次発酵開始 2016/2/18 13:45
DSCN7565
二次発酵終了 2016/2/18 15:38

4.焼成条件:230 °C× 23 min。

DSCN7566
クープ入れ直後 2016/2/18 15:41
DSCN7570
焼成終了 2016/2/18 16:15

※このパンについては,今後,数回に分けて,各工程の記事を投稿する考えである。

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アルミプレートをオーブンシート・銅板・スリップピールの代用にすること(その3)

過去記事

・調達性について:アルミプレートをオーブンシート・銅板・スリップピールの代用にすること(その1)

・コストについて:アルミプレートをオーブンシート・銅板・スリップピールの代用にすること(その2)

1.はじめに

オーブン機能電子レンジを使用し,パンを焼く際に,オーブンシート代用として金属板を使用する場合にアルミプレートを私は選択した。その理由を,その3において,アルミプレートと銅板の機械的性質,熱的性質,および,化学的性質の三つの観点から考察し,家庭においてパンを焼く際に,オーブンシートや銅板の代用としてアルミプレートは十分に実用的であることを示す。

2.アルミプレートをオーブンシートなどの代用として使用する上で検討したこと

(1)アルミプレートと銅板の板厚および質量(重さ)

(2)アルミプレートと銅板のオーブンの中での伝熱特性の違い

(3)アルミと銅の腐食性(手入れのし易さ)

3.物性値

物性値は,八光電機株式会社が公開している物性値を利用した。

利用する物性値は,密度,比熱,熱伝導率である。アルミ,銅(純銅),および,参考のためステンレス鋼(八光電機殿のデータベースではクロムニッケル鋼 18Cr 8Niとされているモノである。これは,家庭用ステンレスとし一般的なオーステナナイト系ステンレス鋼SUS304の組成である。米国製の鍋などではStainless steel 18.8などと記載されている材料である。

表1:物性値
物性値 単位 アルミ 純銅 ステンレス鋼
密度(@20° C) kg/m3 2700 8960 7820
比熱(@300 °C) J/kg°C 1040(@300 °C) 414 (@300 °C) 502(@20 °C)
熱伝導率 W/m K 230 (@300 °C) 366 (@300 °C) 16 (@20 °C)
融点(@300 °C) °C 660.2 1083 1410

4.具体的な検討

4.1 機械的性質の検討(主に重さ)

前提とする寸法 幅300 mm×奥行き300 mm × 厚さ 2mm。この板の体積は,180 ml = 0.18 l=1.8×10-4 m3である。この体積と表1の密度より,板の質量(重さ)が計算できる。[質量]=[体積]×[密度]である。

表2 板の質量(重さ):幅300 mm×奥行き300 mm × 厚さ 2mm
単位 アルミ 純銅 ステンレス鋼
板の質量(重さ) kg 0.486 1.613 1.408

表2の示す結果は,アルミは銅よりもとても軽いということである。

図1に私が購入したアルミプレートの重さを測った結果を示す。計算値に一致している。

DSCN7556
図1 300 mm×300 mm× 2mmのアルミプレートの重さ実測結果

例えば,板に750 g(粉量450 g,加水率65 %=私が作るパン・ド・カンパーニュの条件)の生地を載せて,ミトンを両手にしてオーブンに入れることを考慮すれば,板の重さは軽い方が優位である。

4.2 熱的性質の検討

4.2.1 幅300 mm×奥行き300 mm × 厚さ 2mmの板を温めるために必要な熱エネルギー

表1の材料の比熱,および,表2の板の質量から,板を温める熱エネルギーを計算できる。ここでは,オーブンに入れる前の板の温度が20 °Cとし,パンを焼く温度を250°Cとする。計算は,[熱エネルギー]=[比熱]×[質量]×[250 °C – 20 °C] である。なお,エネルギーの単位はJ(ジュール)であるが,家庭用オーブン機能付電子レンジは電力をエネルギーとして使用する。そのため,参考として,電力料金検針票に記載される単位であるkWh(キロワット時)を併記する。

表3 板を温めるためために必要な熱エネルギー
単位 アルミ 純銅 ステンレス鋼
熱エネルギー kJ (kWh) 116.3 (0.0322) 153.6 (0.0427) 162.6 (0.0452)

表3の示す結果は,アルミプレートを温めるエネルギーが最も小さいことを示す。実利的には,アルミの場合が,オーブン機能電子レンジを使う場合,最も電気代が安くなり得る

4.2.2 板に載せたパン生地をオーブンに入れた直後に板の下面から上面に伝わる熱量

板に載せたパン生地をオーブンに入れた直後に板の下面から上面に伝わる熱量は表1の熱伝導率を使って計算できる。パン生地の温度を20 °C,板下面の温度を250 °Cとした場合には,計算式は[熱量]=[熱伝導率]×[2 mm = 2×10-3 m]×[250 °C-20 °C=230K]である(注:Kは絶対温度の単位のケルビンである)。

表4 パン生地をオーブンに入れた直後に下面から生地に伝わる熱量
単位 アルミ 純銅 ステンレス鋼
熱量 W (J/s) 105.8 168.4 7.4

表4の結果は,金属板を下から熱した場合,銅が最も熱を伝えやすく,次にアルミであることを示す。

4.2.3 考察

ここで,オーブンとガスレンジの熱の伝わり方について,考察する必要がある。図2にオーブンにアルミプレートを置いた様子を,図3にガスレンジに鍋をかけた状態を示す(このような写真をインターネット上に掲載したことを家内に知られた,ひどく叱られそうである。言い訳として,我が家のオーブンは2001年製である。15年も使っていれば,それなりにはなってしまう)。

DSCN7546 (1).jpg
図2 オーブン内にあるみプレートを置いた状態

DSCN7547.jpg
図3 鍋をガスレンジにかけた状態

オーブンは,予熱により庫内がほぼ一定の温度(熱平衡状態)にするため,板の上面からも熱が伝わる。一方,ガスレンジの場合には,熱は,鍋の下からのみ伝わる。つまり,表3に示した板を温める熱エネルギーはオーブンの場合には,板の上下面両側から伝わる。もちろん,パンには,全面から熱が伝わる。そうでなければ,食パンの型焼きができない。

オーブンの熱源は我が家オーブンでは,どうやら側面にありそうなので,下面から伝わる熱エネルギーだけを考慮することは重要ではない。一方,ガスレンジの場合は,表4により検討した下面から伝わる熱量が重要となる。

よって,オーブンシート代わりに使う金属として,銅板を良とする伝熱工学的な根拠はないと考える。アルミの物性値でも十分に実用的であると考えられる。

4.3 アルミと銅の腐食性(手入れのし易さ)

金属の腐食は金属表面の酸化の問題であり,化学の問題である。私は化学が苦手なである。よって,私の下手な一般論ではなく,私がパン・ド・カンパーニュ用の発酵籠を購入した際に添付されていた馬嶋屋菓子道具店殿のチラシ(図4)のを転載させて頂く。サビ(腐食)に対して,アルミは○(良い)が銅は×(悪い)と表記されている(図5)。

IMG_3609.jpg
図4 馬嶋屋菓子道具店チラシ
IMG_3609 (1).jpg
図5 パン用道具 材料の特徴一覧

アルミと銅の腐食性の違いは,一般論として以下のように言える。

(1)アルミの腐食性:アルミは本来腐食し易い材料である。そのため,アルミの表面にはすぐに酸化アルミニウム(Al2O3)の薄膜ができる。この酸化アルミニウムは透明かつ硬い(サファイヤやルビーの本体も酸化アルミニウムである)。アルミプレートが汚れた場合,こすり洗いをして表面に筋状の傷が付くが,その筋も直ぐに酸化され,酸化アルミニウムになる。つまり,アルミプレートは手入れがし易い

(2)銅の腐食性:銅は貴金属であり,錆びにくい。しかし,銅には緑青と呼ばれる青サビが発生する。理化学辞典によれば,大気中に微量に存在する二酸化硫黄または硫化水素との反応生成物CuSO4・3Cu(OH)2が緑青の主成分であるとされている,と,記されている。

私が,銅板を使うのに躊躇した理由は,その2に記したコストと銅の腐食の問題である。銅板は手入れが大変であろうと考えた

5.結論

家庭用オーブン機能電子レンジを用いて,その庫内をより広く使うために金属板を使用する場合において,従来,銅板が良いと言われていた(1)(2)が,アルミプレートは,十分に実用的であると考える。

参考文献

1.高橋雅子,少しのイーストでゆっくり発酵パン—こんな方法があったんだ。おいしさ再発見!,PARCO出版 (2007).
2.高橋雅子,ゆっくり発酵 バゲット&リュスティック (少しのイーストでつくるパン3),PARCO出版 (2008).
3.岩波書店,理化学辞典第5版 CD−ROM版(1999).

<参考>

私が購入した幅300 mm×奥行き300 mm×板厚2mmにアルミプレートは下の写真にAmazonのリンク先を貼ってあり,そこから購入可能である(価格:¥ 1,739 + ¥ 600 関東への配送料)

エスコ 300x300x2.0mmアルミ板 EA441VC-21

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アルミプレートをオーブンシート・銅板・スリップピールの代用にすること(その2)

アルミプレートをオーブンシート・銅板・スリップピールの代用にすること(その1)』という記事を2016/2/11に書いた。この記事は,その続きである。一回で書き終わらなかった。

これから,書こうとすることを想定すると,多分,その2でも終わらない。

だから,その2は簡単にする。

その1において,バケットタイプのパンを焼きたいためにアルミプレートを使うことを思い付いたとした。そして,そのきっかけは,高橋雅子さんの著書,ゆっくり発酵 バゲット&リュスティック (少しのイーストでつくるパン3)を読ませて頂いたことになる。高橋さんの著書の中に,予熱で温めたオーブンレンジ庫内を冷やさないように,天板を上下反転させて置き,パン生地は銅板に載せて出し入れすることが紹介されている。そして,バケットは,銅板の対角線上に置けば,長くできことも紹介してくれている。

とても参考になる情報であった。高橋さんの著書の中に銅板の入手先も記載されていた。

しかし,値段が記載されていたか覚えていない(図書館の蔵書借りた)。また,エンジニアとして,銅板の使用に少し,気になる点があった。

一つは値段のこと。もう一つは,銅を使うことである。私は鋼やアルミは使い慣れているが,銅はほとんど使ったことがない。工業材料(特に機械工学において)として鋼やアルミと比較して,銅の使われる場所は多くない。

その2ではまず値段のことを記すことにする。

銅の板を最初MISUMIで買おうと検索したら,板厚が5 mmが最薄であり,幅300 mm × 300 mmのものが¥18,000(税別)もした!!

うつ病療養のため,日中の落ち込み防止というかそんなことに使う道具に,¥18,000も出費はできない。そして,MISUMIは個人に売ってくれない。

困った時はAmazonがある。検索してみた。有った。板厚1 mmが¥3,456板厚2 mmになると¥6.642

Amazonで見つけた銅板

私には,まだまだ高価だ。

高橋雅子さんは,なぜ銅板を使用しているのか?熱伝導が良いためと著書に記している。

こういう時,機械屋は便利だ。熱伝導のためだったら,銅じゃなきゃNGか?と技術上の疑問が湧く。熱伝導ならば,アルミだって鋼やステンレスより良い。

Amazonでアルミプレートを探したことはその1に多く記したから繰り返さない。検索した結果だけを書けば,幅300 mm × 奥行300 mm × 板厚2  mmの場合には¥1.739である。幅300 mm × 奥行300 mm × 板厚1 mmの場合なら¥1,363である(それぞれ,日によって値段は変わるかも知れない)。

板厚1 mmか2 mmか?機械屋であるならば,それを決める設計計算をすべきだ。そう,計算をすべきだ。でも,アルミの板厚1 mm?という感覚が働く。値段の差も大したことがない。そのため,板厚 2mmを買った。そして,これも,感覚的に予備品も欲しいと思って二枚(一枚でも二枚でも送料は同じだ!)。

そして,二枚使いだとこういうことが可能になった。右は,焼きあがってオーブンから出して網の上で冷ましているパンであり,左は,これからオーブンに入れる直前のパン生地である。

DSCN7474.jpg
ガスレンジ上に置いたアルミプレート二枚横置き例

やはり,長くなってしまった。

機械屋らしいことは,その3から記す(その3で終わるかわからないが)。

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アルミプレートをオーブンシート・銅板・スリップピールの代用にすること(その1)

パン,特に,バケットタイプの長いパンを焼き始めて困ったことは,オーブンレンジ天板が平板でないことだ。フランジが付いて,断面が凹の形になっている。よって,パンの長さは,最長でも凹部分の正方形の対線長さになる。

また,もう一つの困りごとは,二次発酵が終わってクープを入れるために移す道具だ。取り敢えずの出費を避けたかったから,オーブンシートを使っていた。しかし,オーブンシートには下のような温度(250 °C)と使用時間(20 min)の制限ある。我が家のオーブンレンジは250 °Cが使用最高温度であり,前者は問題ない。しかし,後者の使用時間の制限は,少し大きめのパンを焼こうとすると,生焼けが起きる。

メーカに温度を下げれば,使用時間を長くすることは可能かとも問い合わせてみたが,保証できないと言われた。

銅板を使うことは,高橋雅子さん著書『ゆっくり発酵 バゲット&リュスティック (少しのイーストでつくるパン3)』に銅板を使うことが紹介されている。

しかし,銅板を使うことについて,メカニカルエンジニアとして,いろいろと考えることがあった。

そこで,アルミプレートを利用することにした。

寸法,幅300 mm × 奥行300 mm × 板厚2 mmである。

使うイメージは以下のよう。オーブンレンジが出した後であるが,アルミプレートは焼けたりしない。

DSCN7403.jpg
アルミプレートを利用したバケット作りの例

なぜ,アルミプレートなのか,後日,その2の記事を書くつもりである。

しかし,最も難しかったのは,我が家のオーブンレンジに合う寸法のアルミプレートを買うことだった。

金属板は街の鋼材屋さんに行けば入手できる。しかし,企業向けだから,一見さんに,半端な寸法の儲けにならない板を売ってくれるとは限らない。それに,鋼板と違いアルミ板が常に在庫があるとも限らない。

職場であれば,機械部品商社のMISUMIから簡単に買える。しかし,MISUMIは個人には売ってはくれない。

それで,Amzonで検索してみたが,幅100 mm × 奥行300 mm や幅200 mm × 奥行300 mmは沢山あるのだが,幅300 mm × 奥行300 mmの寸法のものがない。あれほど,Amazonの検索結果をあれほどスクロールしたことは,かつてなかった。

Amazonの検索結果はAmazonプレイム対象と売れ筋から出てくる。幅と奥行が良くても厚さが薄かったりして,規格外とせざるを得ない。

DSCN7401
エスコ 300x300x2.0mmアルミ板 EA441VC-21

ようやく見つけたのが以下のものだった。しかし,届くまでは,不安が二つあった。

アルミプレートのAmazon掲載の写真

一つは,Amazonに掲載されている下の写真が寸法と違うものだったからだ。どう見ても長方形だ。でも,仕方ない。安いので,二枚買った。一枚が¥1,739だ。配送料はかかるるが,Amazonプライムではないので仕方がない。

二つの心配は,メカニカルエンジニア特有の心配だ。もし,板の表面に油が付着していたらどうしよう?というものだ。機械部品用の金属材料を買うと,表面に錆防止の油が付いていることがある。それを除去するのには,アセトンを一般に使うが,アセトンは個人では購入できない。塗料用シンナーということも考えられるが,マンションでシンナーなど使ったら近所迷惑になる。

届くまで1 weekほどかかった。名古屋の機械部品商社から簡素な梱包で送られてきた。心配事二つは杞憂であった。寸法は,ぴったりだったし,油も付着していなかった(この理由も後日書く)。

ただ,板の周りを指で軽くなぞるとバリが出ている。素手で扱うと,指をひっかいてしまう可能性が高い。我が家に,ダイソーで買った100番のサンドペーパー(紙やすり)があったので,それで,周囲をこすって,怪我をしない程度に磨いた。本当は,棒ヤスリで完全にバリを取ってしまう方が良いのだが,まぁ,大丈夫そうであった。

板を買うだけ,これだけの記事になる。なぜ,アルミにしたかは,備忘録として改めてその2以降の記事を書く。
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