どうも、2016年になって起こしたルヴァン種(私が使用しているのはリキッドルヴァン)に元気がない。以前起こしたのは2015年11月だったから,当然,温度などの環境が異なる。前記事:少し元気なったリキッドルヴァン・まだまだなレーズン種継ぎ この前記事では,ルヴァン種の種継ぎを輸入全粒粉+輸入グラハム粉+強力粉(日清製粉カメリア)で行った。
しかし,どうも環境条件ばかりではないような気がしている。
それで,一つの実験をしてみることにした。ルヴァン種の種継ぎに薄力粉を使ってみようと考えた。私のルヴァン種は全粒粉から発酵を始めて,徐々に普通の小麦粉に変えていく。起こす過程におけるルヴァン種には乳酸菌などの細菌が住み着いて,小麦粉のでんぷんを糖に分解して,細菌たちがせめぎ合いをしながら,強い細菌たちが生き残る。
そうであれば,細菌たちの好物のでんぷんを与えて種継ぎをすれば良い。でんぷんは強力粉よりも薄力粉の方が多い。このような,簡単な思い付きが実験の動機である。
1.種継ぎ
(1)薄力粉は,日本で一番メジャーな日清製粉のフラワー。

(2)種継ぎ作業
i)薄力粉量:70 g(パン屋さんではないので,これでも多いくらい)

ii)水の温度:種継ぎに少し高めの39 °Cに調整。

iii)水の計量:粉量の110%の77 g。

iv)元種量:170 g(元種としては多め=もったいなかったから,あるだけ入れた)

v)混ぜわせ後温度:19 °Cになった(もっと高くても良いと思う)。

(3)発酵:室温(18〜25 °C)において約22 h程度 (出来上がったルヴァン種の写真は撮影し忘れました)
2.試験片作り
(1)材料
・強力粉(日清製粉 カメリア):200 g (私が発酵種の具合を見るときの粉量です)
・ルヴァン種:30 g
・食塩:4 g(2 %です)
・水(35 °C温度調整後):130 g(加水率65 %:ルヴァン種の水分含まず)
(2)捏ね上げ直後の生地

(3)一次発酵完了後の生地(室温20〜25 °C × 16.5 h):それなりに膨らみました。でも,温度が高めに維持する必要がありました。
実験としては,生地が発酵すればいいので,ここまで十分ですが,以下の通り焼きました。当然です。食事用のパンです。私が作るのは。

(3)成形:プチパンにした。

3.焼成条件と結果:210 °C × 25 minとして焼成。

皮はもっと焼いても良さそうである。
クラムの上の方も,もっと気泡が膨らみそうな感がある。焼成条件は見直しが必要そうだ。
4.まとめ:ルヴァン種の種継ぎに薄力粉を使って,パン生地の発酵具合を評価してみた。発酵温度を低温発酵とすることはできなかったが,十分な一次発酵が出来たと考える。
5.今後の課題:再び薄力粉を用いてルヴァン種種継ぎを行い,発酵具合を維持できるか再評価を行う。また,再度ルヴァン種を起こす際に,全粒粉から小麦粉に移行する際に薄力粉によりルヴァン種を起こせるかを確認することが必要である。
以上。
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