著者の方には,大変申し訳ないのではあるが,以下の四冊を約2時間で斜め読みした。
その記録。
2時間で読んだので,感想などというものはない。パン屋になるのは,大変だということだけがわかったのみ。
著者の方には,大変申し訳ないのではあるが,以下の四冊を約2時間で斜め読みした。
その記録。
2時間で読んだので,感想などというものはない。パン屋になるのは,大変だということだけがわかったのみ。
近所に他人さまの小さな畑がある。別に住んでるところが田舎というわけではないのだが,結構,畑がある。10分も歩くと,田んぼもある。
少し前の写真だけど,こんな風になっている。
そこで冬小麦を育ていた。4月中旬は穂が伸びていた。
少し散歩をサボっていて,今日(2016年5月2日)に歩いてみたら,すっかり刈らていた。
穂が落ちていた。
この小麦は,粉になって,どんな食べのもになるんだろうか......
自分で育てた小麦で,パンを作ってみたいものだ。
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毎週末にパンを作っている。
最近は,金曜日夕方が混捏日,土曜日が焼成日である。
今週のパンは四種類。焼成順に,
1.バターを入れて失敗作になったベーグルもどき(粉量 薄力粉200 g+強力粉200 g),
2.無塩プチパン(粉量 薄力粉200 g+強力粉200 g),
3.プチパン:塩味は付けた(粉量 薄力粉200 g+強力粉200 g),
4.薄力粉と強力粉のパン・ド・カンパーニュ(粉量 薄力粉250 g+強力粉250 g)。
発酵種は全てリキッド・ルヴァンとレーズン発酵種を使用した。加水率は,全て57%相当である。
1.バターを入れてしまって失敗作になったベーグルもどき
見た目,さほどの失敗作にはなっていない。しかし,食してみると,美味しくない。バターが発酵種の味を消してしまっているといった感じである。家内にも不評であった。ただし,生地の表面はつやつやしている。
3.無塩プチパン
この無塩プチパンは,オーブンが変わって,未だ焼成条件を見いだせていない。そのため,焼き色が良くない。
3.プチパン
このプチパンと無塩プチパンは「食塩を加えたか否か」の違いのみ。焼成条件もほとんど変わらない。しかし,焼成後の重さに,65グラムも差がある。理由は,今は,わからない。
4.薄力粉と強力粉のパン・ド・カンパーニュ
焼成前に,焦げ防止の粉ふりを「敢えて」しなかったのであるが,やはり,焦げてしまった。粉ふりをしなかったのは,発酵籠の粉が生地に多く付着していたため。しかし,やはり,トップ部分には,焦げ防止をしなければならなかったようだ。
失敗なのであるが,一つ,学習した。つまり,成果を得た。
しかし,道具(オーブン)が変わって,未だ,焼成条件を確定できない。かといって,毎日,パンを焼くようなことはしたくもない。困っている。
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トスカーナ料理店(川越市 estestest)のご主人に「無塩パン」を教えていただいてから,ほぼ,毎週のように作っている。
トスカーナはフィレンツェ観光しただけなので,本場の無塩パンを食したことはないが,なんとなく自己流で作っている。
estestestのご主人のお話では,「トスカーナ料理」は塩辛いものが多いので,パンの味を控えめにするのであるということであった。
一方,志賀勝栄さんの著書「パンの世界」においては,塩は「発酵を抑制する」と記されている(179頁)。
さて,無塩プチパンは便利なパンである。どう便利かというと,簡単に済ませたい昼食に便利なのである。主に,汁物と合わせる。
無塩プチパンはとても安いパンである。2016年3月27日バージョンの無塩プチパンのコストは1個あたり¥14である。
そして,パンは「発酵食品」であるから「保存し易い」食品である。スーパーで買う食パンは二日も経つと干からびて青カビが生える。しかし,リーンなパンは一週間やそこらは室温で保管できる。だから,私のパンは冷凍しない。
そして,食べたいときに,そのまま食べる。いつでも食べることができる「おにぎり」のようにである。
無塩プチパンは日持ちするおにぎりのようなパンなのである。そして,「安い!」
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1.材料
薄力粉のレーズンプチパンはオヤツ用なので加糖した。よって,このパンはリーンなパンではない!!
加水率は53%相当である。これだけ加水すると,ドウはかなり柔らかい。成形のときの伸びも良い。
コスト割合のグラフを見るとレーズン発酵種とレーズンの合わせた値段が¥79となり,粉の値段¥63を上回る。すなわち,オヤツ用のパンは割高であるということである。食事用のパンであれば,もっと安くなる。グラニュー糖も決して安くはない。
また,粉量400gを8個のプチパンに成形したので,プチパン1個あたりとして¥19となる(端数切り上げ)。
2.工程表(実績)
赤矢印が作業工程である。合計で60分となる。成形の中にベンチタイム15分を含む。
3.焼成結果(焼成温度 200°C)
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2016年3月20日秋のパン(過去記事:パンを焼く日(2016年3月20日週のパン四種類))においては,焼成条件に関する実験を試みた。
簡単にいってしまえば,焼成温度を下げた。
・プチパン:230°C→200°C。
・パン・ド・カンパーニュ:210°C→200°C。
パンの文献(本ブログ:参考文献参照)を読んでいると,パンの歴史は1万年以上ある(1)〜(3)にもかかわらず,最新のパンの研究においても,その中心は,「発酵」に重点が置かれている(6)ー(8),(10)。
しかし,パン作りにおける最終工程である焼成条件をどのように決めるかについての知見を得ることができない。
唯一,志賀勝栄さんの著書「パンの世界 基本から最前線まで (講談社選書メチエ)」(1)において,フランスパンの代表であるバケットの焼成を高温(250°C)とし短時間(20 min)とする旨の記載がある。しかし,志賀勝栄さんのもう一つの著書「酵母から考えるパンづくり
」(4)を読むと上火255°C,下火225°Cとして,32 minとなっている。出版年が後者の著作の方が古いため,前者の著作の間にレシピが変わったことは考えられる。
このような背景においては,自分で作るパンの焼成条件は,自分で見出すしかない。
そのため,今回の記事のような実験を試みることになった。
温度を下げた動機は,パンを少し柔らかくするためである。私の作るパンはリーンなパンであり,いわゆるハード系と呼ばれるパンになる。しかし,リーンなパンは,時間の経過に伴い,内部(クラム)の水分が表面(クラスト)の染み出してるため,徐々に柔らかくなる。しかし,日数が一定以上すぎると,その染み出しが終わり,表面から乾燥し始める。よって,内部にどれだけ水分を保持されるかということがパンの日保ちに関係する。一方,焼成温度を下げると,パンの生焼けが起きやすい。表面に焼き色が付かない状態である。さらに,焼成条件には,焼成時間というもう一つのパラメータが関与する。
こういう,面倒なことは,理屈を考えるより,やってみる,つまり,「実験」する方が早く答えが出る。
実験において重要なのは,実験条件だけではなく,結果をどう評価するかである。評価方法を事前に決めておかないと,その実験は,全く意味をなさない。
今回の実験における評価項目は焼き色,釜伸び具合,および,クラムの状態とした。ただし,プチパンは切断していないため,焼き色と釜伸び具合となる。釜伸びは,下面の割れ具合で評価する。
結果を焼成の順番に示す。
1.無塩プチパン:焼成条件 200°C×24 min
2.プチパン:焼成条件 200°C×23min
3.レーズンプチパン:焼成条件200°C×20 min
4.パン・ド・カンパーニュ:焼成条件 200°C×35 min
上記の写真を見ると,上面の焼き色は,個人的判断であるが,妥当と考えている。また,1〜4すべてにわたって,下面の極端な焼き色(いわゆる焦げ)はない。
しかし,1の無塩プチパンと2のプチパンの下面には割れが多く発生している。3のレーズンプチパンと4のパン・ド・カンパーニュの下面の割れはないと考えてよいであろう。
4 パン・ド・カンパーニュのクラムの状態も,妥当と考えている。
上記の写真から考えて,プチパンおよびパン・ド・カンパーニュとも焼成温度を200°Cに低下させたことは,上面の焼き色から,問題なさそうである。しかし,プチパンの焼成時間23 minとか24 minは長時間過ぎたように思われる(下面に割れが生じてしまっていることにより)。
パン作りとは,すべての工程にトラップが仕掛けられている。全く気を抜くことができない作業だらけである。そういう作業は総じて「職人作業」と呼ばれるのであるが,エンジニアの作業は,「職人作業」を一つひとつ,理屈に当てはめて一般化することである。そういうことを,自作のパンに対して行っている。
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農林水産省の政府小麦売り渡し価格値下げについてのブログ記事を書いた(過去記事:小麦の値段は7.1%安くなるのに食パンは〜〜)。
上記の過去記事においては、敢えて小難しく記事を書いた。敢えてである。
簡単に言うと、以下のようになる。
お店で買う食パンの値段は、政府小麦売り渡し価格の14倍以上である。小麦9円が、125円になっている。
一方、自作のパンは小麦粉の値段のみに影響されるので、政府小麦売り渡し価格の4倍以下の値段となる。
パンは、自作する方がお得なのである。
これは、製粉とパン作りの材料費コストの計算から容易に推定できる。
それぞれのコストを25%とすると、以下のような計算になる。
0.25
× 0.25
—————
= 0.0625=6.25%
—————
お米は、自宅で炊く。日本人ならば、当たり前のことである。たくさん食べたいなら、それが最も安い。
パンも同様ということである。
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<概要>
発酵種のパン(天然酵母のパン)の販売価格は,一般に高いと考えられている。その理由は,従来,発酵種のパンの製造工程にあると考えらていた。しかし,家庭で作った発酵種のパンには,市販されているパンよりも多くの小麦粉が使われている。そのため,小麦粉の値段を考慮して,発酵種のパンの販売価格を見積もれば,その販売価格は妥当であると考えることができる。
<1.はじめに>
横浜駅西口の地下街を歩いていたら天然酵母パンが売られていた。三分の一カットのパン・ド・カンパーニュが¥250くらいであったろうか?食パンも¥300以上したように思う。
自分でパンを作っている者として,『高い!!』と思った。
しかし,なぜ高いのであろうかとも,思った。
インターネットを使ってパンの文献を検索していたら,少し古いが興味深い文献を見つけた。以下の文献は,CiNiiという学術文献検索サイトからフリー(つまり無料)で閲覧・ダウンロードすることが可能である。リンクを貼ることは容易であるが,あえて,テキストのURLを記載するに留める。著作権への配慮のためである。
・松尾志穂,浜田知子,米田寿子,天然酵母利用パンについての評価,九州女子大学紀要 自然科学編,Vol. 38,No. 2&4, pp. 25-37(2002/03).(http://ci.nii.ac.jp/naid/110004624913)
また,ここで,著者の方々に,「さん」や「様」などの敬称を付していない。これは,学術論文における引用の慣例に従っているまでである。
松尾さんらの上記の文献において,天然酵母利用パンについて,以下の二つのことが評価されている。
(1)天然酵母利用パンを作るパン屋さんと女子大生の天然酵母利用パンに関する意識調査結果。
(2)ドライイースト,ホシノ酵母,レーズン発酵種の発酵力に関する実験およびそれらの酵母を使って作った食パンの評価。
上記(1)の評価において,興味深いのは,パン屋さんも女子大生も「天然酵母利用パン」を「高い」と考えていることである。
一方,上記(2)の酵母の違いによる発酵力に関する実験は,パンを自宅で作っている私のような者には,とても貴重なデータである。簡単に言えば,ドライイーストは速く発酵し,ホシノ酵母やレーズン発酵種はゆっくり発酵が進むというデータである。
このブログ記事を書こうと思った動機は,上記の(1)に関して,「天然酵母利用パン」が「高い」と思われているのは,「なぜか?」と考えたことである。冒頭に記した通り,横浜のパン屋さんの店頭に並んでいた天然酵母パンを,私も「高い!」と思った。
松尾さんらの文献では,天然酵母利用パンが高い理由について,その製造工程にあるのではないかと記しているのであるが,私は,異なる理由を考えている。
私が考える天然酵母利用パン(以降は,私の言い方に改めて,「発酵種のパン」とする),2016年3月12日に焼いた「強力粉と薄力粉のパン・ド・カンパーニュ」を例にして,議論を進めたい。
<2.強力粉と薄力粉のパン・ド・カンパンーニュの仕様について>
2.1材料とその値段
上記の表に加えて,水を160 g(水道水を38°Cに温度調整,加水率61 % 相当)を使っている。水の値段は,ほぼ,無視してよいであろうと考える。
2.2発酵条件,焼成条件
(1)一次発酵:室温(18°C)× 17 h(15:00〜翌朝8:00)
(2)二次発酵:室温(22〜23°C)× 3.5 h(8:15〜11:45)
(3)焼成条件:210°C × 33 min。
2.3 焼成後のパンの重さ
焼成後のパンの重さは690 gであった。食パン1斤は約300 gであるから,2斤相当のパンになったことになる。
<3.パンの重さと値段の円グラフ>
以下に,パンの材料の重さと値段を円グラフにして示す。
上記のグラフから,
パンの材料の重さの78.9%,コストの72.6%を小麦粉が占める。
<4.発酵種のパンが高くなる要因に関する仮説>
4.1製造工程にコスト高の要因を認め得ないということ
上に紹介した松尾さんらの文献では,「天然酵母利用パン」(松尾さんらの文献がそう称している)が高い理由について,その製造工程を挙げている。しかし,私が,発酵種のパンを自作していて,パンそのものを作る工程にはコストを高くする要因はないと考えている。
パン屋さんが,発酵種のパンを販売する際に,発酵時間が長いことは,製造工程の制約にはなるであろうが,志賀勝栄さんが,著書『パンの世界 基本から最前線まで (講談社選書メチエ)』に記している通り,夕方から朝までの時間帯を利用すれば,一次発酵に要する時間の長さ,デメリットにはならない。
このことは,高橋雅子さんの著書『少しのイーストでゆっくり発酵パン—こんな方法があったんだ。おいしさ再発見!』において,夜間の冷蔵発酵を推奨していることにも当てはまる。
4.2発酵種を使用したパンの値段が「日本のパン」の妥当な値段であろうという仮説
4.2.1パンの材料,特に添加物について
私の作っているパンは,志賀勝栄さんの著書に啓発された「リーンなパン」である。上記の材料表の通り,「小麦粉,酵母,塩,および,水」しか使っていない。
一方,松尾さんらの文献において作っているパン(食パンであるが)には強力粉の重さに対して,5 %の砂糖が添加されている。日本において売られているほとんどのパンは加糖されることが当然と考えれている。文献での松尾さんの所属は「九州女子大学 家政学部 栄養学科」となっているから,管理栄養士や栄養士として,食物のプロフェッショナルであろう。その松尾さんらの文献においてさえ,加糖したパンを作っている。
一方,志賀勝栄さんの著書『パンの世界 基本から最前線まで (講談社選書メチエ)』には,1993年9月にフランスおいて制定された「デクレ・パン」という「パンの法律」について説明がある(34-37頁)。
その法律の紹介の中で重要と志賀さん記しているのが,「パン屋の定義」と「フランスの伝統的なパンの定義」である。志賀さんの著作を引用は避けるが,フランスの法律に関する以下の部分だけ引用させて頂く。
『第二条 「フランスの伝統的なパンの名称,あるいはこれらの名に結びつくような名称で販売できるのは,その形がどのようなものであれ,その製造の過程でどのような冷凍処理もされておらず,いかなる添加物も加えられておらず,以下のような特徴を示す生地の焼成過程からできたパンに限られる。
1.パン製造用小麦粉,飲料水,調理用の塩のみで構成さていること。
2.パン用のイースト(出芽酵母)とデクレの第四条の定義での天然酵母によって,もしくはこれらパンアルコール発酵作用のうちの一方のみによって発酵されていること。
3.場合によっては,小麦粉の総重量に対する以下の上限で,次のものを含むことができる。
a) 2パーセントのそら豆粉,b)0.5パーセントの大豆粉,c)0.3パーセントのモルトパウダー。』
一方,日本において売られいる廉価な食パンには様々な添加物が入っている。例えば,1斤が約¥100で売られている山崎パンの”The Bread”という名称の食パンの原材料は以下のように表記されている。これだけ色々なものが入っていると,フランスでは,「伝統的なフランスのパン」と称することができない。もちろん,食パンはフランスではなくイギリスのパンであるから,それはそれで,構わないであろう。
上記の食パンは約¥100で売られているから,その,製造原価を,販売価格のおよそ四分の一以下であろうと推察する。工業製品は,原料費,加工費,人件費,物流費,その他の経費も含めて値段が決まるから,材料費を四分の一程度にしておかないと,作るだけ赤字になってしまう。大きなパンメーカの作るパンは工業製品であるから,当然,その材料費も,同様に考えてよいであろう。
ここで,以下のような見積もりをすることができる。上の食パンに使われている小麦粉の値段である。食パン1斤は約300 gである。食パン中の小麦粉の分量を私のパン・ド・カンパーニュと同等の65%と仮定する。すると,300 gの食パンの中に195 gの小麦粉が使われていなければならない。
小麦粉1 kgの値段を¥245とすると,195 gの小麦粉の値段は,¥47.8となり,食パンの値段の半分になってしまう。これでは,とても,1斤を¥100で販売することは不可能であろう。
別の見積もりも可能である。1斤を¥100で売るために,その材料を四分の一と仮定する。すると,材料費は,¥25である。そのうち,小麦粉のコスト割合を私のパン・ド・カンパーニュと同等の75 %と仮定する。すると,パン1斤¥100の中の小麦粉のコストは,¥18.75となる。小麦粉1 kgが¥245として重さに換算すると,76.5 gである。食パン1斤300 gのうち25.5 %のみが小麦粉であるという計算になる。すなわち,1斤のパンの中には四分の一しか小麦粉が使わていないということになる。
4.2.2 発酵種のパンが高い理由の仮説
上記に示した私のパン・ド・カンパーニュ焼成後の重さ690 gには450 gの小麦粉を使用している。そのコスト割合は72.6 %である。パン1斤に換算すると,小麦粉の値段は,¥46.09となる。パン全体の材料費とすると,¥63.49である。
材料費を四分の一として,販売価格を決めれば,パン1斤を¥253.9とせざるを得ない。これは,冒頭に記した横浜西口の地下街において売られていた天然酵母食パンと同等な値段になる。
発酵種のパンは,添加物が不要なパンである。発酵種のおかげで,発酵中にアミノ酸など複雑な味が醸し出されるからである。添加物を加えてしまっては,それらの微妙な味わいが台無しになる。
しかし,日本の小麦粉が決して安くはない(それでも,米よりは安い:当ブログの過去記事:メモ書き:米と小麦粉の値段の不合理について参照)。
よって,発酵種のパンは,「高い」のではなく,小麦粉のそのものの値段を反映した「妥当な値段」として販売されているに過ぎないと考えられる。
もちろん,発酵種のパンに「付加価値」を上乗せして,一般的なパンよりも高い値段設定されているということは考えられる。しかし,高すぎるパンは,買われないであろうから,需要と供給が釣り合う価格に収束するはずである。
ここに書いたことは,あくまで素人の「仮説」に過ぎない。しかし,家庭で作るパンと工場やパン屋さんが作るパンの小麦粉の値段が倍以上の値段の差があるとは考え難い。このことは,いずれ,別の機会に,記事にする。
<5.まとめ>
発酵種のパンは,一般に「高い=高額』と考えられている。しかし,発酵種のパンは小麦粉の含有量が多い。よって,日本の小麦粉の値段を考慮すると,その値段は,妥当と考えられる。
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輸入小麦価格7・1%下げ 政府売り渡し、世界的生産増で https://t.co/F8y3ml6nON
— 47NEWS (@47news) 2016, 3月 9
twitterから。
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私は,現在,うつで休職中で,自宅に引きこもり状態である(だいぶ良くはなったが)。
一方,諸所事情があって,家内が単身赴任状態になっている。その家内が,手首を少し痛めていて,包丁を使って固いものを切るのも難儀そうなので,
家内用に「強力粉と薄力粉だけを使ったパン・ド・カンパーニュ」を作っている。
ライ麦粉を入れると少し,固めに焼きあがるためである。
以前は,食パンを焼いてスライスして持たせていたが,成形が楽なのと,室温保存し易いので,パン・ド・カンパーニュにしている。
私が作るパンは,毎回何らかの実験要素を含んでおり,似て非なる仕様となる。
2016年3月5日に作った「強力粉と薄力粉だけを使ったパン・ド・カンパーニュ」の仕様は以下の通りだ(過去記事:パンを焼く日(2016年3月6日週のパン5種類)。
・強力粉 270 g
・薄力粉 80 g
・食塩 5 g
・リキッド・ルヴァン 63 g
・レーズン発酵種 40 g
・水 144 g(加水率 62 %相当)
・くるみ 約30 g
三月は,我が家は夫婦揃って誕生月である。それで,少し,贅沢をしてクルミ入りのパン・ド・カンパーニュにしてみた。
映画『リトル・フォレスト 夏・秋 』の中で,橋本愛さん演じる いち子 は裏山に落ちているクルミを拾って,殻を割り,実を取り出して料理する。手間はかかっているが,現金は要らない。
しかし,街にいる私に裏山は遠く,スーパーマーケットは近い。交通費を勘案すれば,買ったほうが安い。
パンを作ってから,一体パンの値段がどうなっているのかが気になりだした。それで,検討してみた。
作ってから,クルミ入りのパンがどれほど贅沢なのか,落ち着いて考えてみたくなった。下の表が検討結果である(金額は税別)。
使ったクルミは160 g入り¥599である。多くは要らなかったので,適量なものを買ったのだが,しかし,1000 gに正規化すると,何と¥3,743もする。何と,高級な食材なことか!
パンの材料費の半分近くが,クルミの値段だ!
グラフを示そう。まず,材料の重さの割合である。データラベルの単位はg(グラム)である。
同様に材料の費用をグラフ化してみた。データラベルの単位は¥(円)である。
上の表から明らかなことではあるが,グラフ化してみると,クルミがパンの材料費の半分以上(52 %)を占めている。材料の10 %未満。焼成後の5 %程度なのにである。
また,リキッド・ルヴァンとレーズン発酵種は種起こしおよび種継ぎに使用した材料(小麦粉とレーズン)のそれぞれの重さから材料費にした。レーズン発酵種はリキッド・ルヴァンよりも,少し,高価な発酵種だと考えることができる。
クルミを入れなければ,このパンは,焼成後の重さ約570 g(ほとんど食パン2斤相当)が,¥103である。
週末に家内は,自宅に戻るので,570 gのパンは,朝食用に月曜日〜金曜日に食べるだけであれば,十分な量である(1日に100 g以上=六枚切り食パン二枚相当)。それが,¥103なのであれば,スーパーで袋入りの食パンを買うよりも安価である。
クルミを少し入れたとしても,1斤¥150〜300の袋入りのスライスされた食パンを買うよりも安い。
私のパン作りは,軽量とドウ作り(生地捏ね)に15分,成形に10分(パン・ド・カンパーニュの場合)しか時間をかけない。オーブンを使っている時間は外出はできないが,他のことはできる(例えば映画を見たり,本を読んだり)。
つまり,週末のちょっとの手間でパンを作ることができる。
コスト計算は世知辛いようであるが,現実を知るためと,自分の作り出している価値を知るためには,必要なことであろう(機械屋としては常識ではあるが)。
検討してみて,面白かった。これも,うつが融けてきたという証である(私のもう一つのブログの記事:「うつ が 融けるのを感じること:散歩の姿勢」)