パン作りにおける食塩の計量について

パン作りは,すべての工程にトラップ(罠)が潜んでいる。

パンは発酵食品であるから,その初めの工程である「計量」を失敗すると,以降の工程すべて台無しなる。

一方,ドウ(パン生地)の発酵は酵母であろうが乳酸菌であろうが,化学反応であるので,粉量を増やしたり・減らしたりしたら,全ての材料を粉量に合わせて比例させて増減すれば良い。ただし,粉量に合わせて,発酵時間の調整は必要となるが。

さて,食塩の量も粉量に合わせて増減させれば良いのであるが,一般に,食塩の量(重さ)は,粉量(重さ)の2%前後とされる。

志賀勝栄さんの「酵母から考えるパンづくり」によれば,バケットとパン・ド・カンパーニュの場合に2.1%となっている(それぞれ,42頁,156頁)。志賀さんの本は,粉量が2kgとかのパン屋さん向けのレシピになっているから,家庭において,それらのレシピを参考に材料の量を調整しなければならない。

その際,面倒なのが,食塩の量である。

食塩の量はパンの味を左右する。そして,面倒なことに,「人の感覚」というのは,直線的ではなく,「対数的」である。

騒音や振動の大きさは,一般にデシベル(dB)という単位が用いられる。2倍=+6dB,10倍=20dBといった具合である。一方,0.5倍=−6dB,1/10=−20dBといった具合である。これは,人の聴覚や触覚がでジベルの方が表しやすいためである。一般に,静かな図書館は60dB以下の騒音レベルとされる。一方,100dBを超える騒音レベルでは,人は,苦痛に感じる。

デシベルは,対数を使った単位であるのだが,どうも,これが,人の感覚に合っている。高校で習う対数を社会でどこに使うのかというと,こんなところで使われている。勉強は無駄になることはない。

さて,発酵は,材料の比例で良いと上に記したが,「味覚」は「聴覚」や「触覚」と同様におそらく「対数的」である。特に,日本人は,微量な「旨味(=アミノ酸の味)」を感知する。

リーンなパンは酵母や乳酸菌発酵によってドウにアミノ酸などが多く含まれるから,食塩によってその味を消し去りたくはない。

2kgの粉量の2.1%の食塩は,42gであるが,250gの粉量では,5.25gとなる。これを,表に示すと表1のようになる。2%の食塩量は,1g刻みで変化するが,1.5%ともなると,0.1g刻みで計量が必要となる。

表1 粉量に対する食塩量
表1 粉量に対する食塩量

表1をグラフにしてみる。まずは,一般的なグラフ(図1)にする(リニアスケール)。

図1 粉量に対する食塩量
図1 粉量に対する食塩量

図1において,2%±0.2gのプロットも示したが,わかりにくい。そこで,図1の縦軸を対数にしてみる。つまり,片対数グラフである(図2)。

図2 粉量に対する食塩量(縦軸対数)
図2 粉量に対する食塩量(縦軸対数)

さらに,食塩量2%の場合のみを拡大してみる(図3)。

図3 粉量に対する食塩量2%の場合
図3 粉量に対する食塩量2%の場合

図3から食塩量±0.2gの差は,粉量が多いほど影響しそうなことが推察できる。

さらに,表1の粉量と食塩量の比を以下のようにデシベル(dB)により示してみることにする。

[(食塩量)/ (粉量)] (dB) = 20log×[(食塩量)/ (粉量)]

すると,表2のようになり,グラフにすると図4のようになる。

表2 粉量に対する食塩量の比
表2 粉量に対する食塩量の比
図4 粉量と食塩量の比(縦軸デシベル)
図4 粉量と食塩量の比(縦軸デシベル)

図1と図4は同じ関係なのであるが,粉量と食塩量の比を取って,デシベル表記した違いのみである。図4の食塩量2%の場合を拡大してみる(図5)。

図5 粉量と食塩量の比(2%付近縦軸拡大)
図5 粉量と食塩量の比(2%付近縦軸拡大)

図5は図3に対応する。図5の±0.2gを±1gにしてみたのが,図6である。

図6 粉量と食塩量の比(2%付近拡大および±1g)
図6 粉量と食塩量の比(2%付近拡大および±1g)

食塩量の計量のばらつきが粉量が少なくなると,その影響が大きくなることが図5と図6からわかる。

ところで,一般的なクッキングスケールは秤量が1gであったり,2gであったりする。Amazonでクッキングスケールを検索してみると,下のタニタのクッキングスケールが一番最初に出てきた。

図7 タニタ デジタルクッキングスケール 1kg ホワイト KD-187-WH(Amazon¥1,098:2016/3/30現在)

上記のクッキングスケールの秤量(分解能)は1gである。よって,図7のクッキングスケールを用いて粉量250gのドウを作ろうとすると,図5より図6に近い食塩量のばらつきになる(実際には,秤量1gなので,250gの粉量に対して,食塩量は5±0.5gとなる。)

そのため,クッキングスケールを少しだけ高価なものにする。すると,秤量0.1gのモノがある。

図8 タニタ デジタルクッキングスケール 3kg(0.1g単位/300gまで) ホワイト KD-320-WH(Amazon ¥1,885: 2016/4/30現在

新しくクッキングスケールを購入する場合は,高価と言っても少しの差であるから,図8のように秤量0.1gのモノを入手すべきである。

しかし,すでに,クッキングスケールを持っていて,それが,1g秤量の場合に,買い直すのはもったいない。私がそうであった。

そう考えて,近所のホームセンター(ケーヨーD2)において以下のクッキングスケールを見つけて,使っている。

図9 DRETEC 【容器を使わず手軽にはかれる】 スプーンスケール ホワイト PS-031NWT
図9 DRETEC 【容器を使わず手軽にはかれる】 スプーンスケール ホワイト PS-031NWT

図9のDRETEC PS-031を使うと,以下のような計量ができる。ただし,このクッキングスケールの秤量は0.2gであるため,以下の計量は0.1±0.2gの正しさである(まぁ,これは,細かい専門的なことではあるが)。

図10 食塩0.1gの計量の例
図10 食塩0.1gの計量の例

このクッキングスケールはドライイーストを計量する場合にも利用価値がある。

 

図11 ドライイースト0.1g計量の例
図11 ドライイースト0.1g計量の例

ケーヨーD2で幾らで買ったのか,失念したが,Amazonでは¥1,620(2016/3/30現在)である。もう少し,安価に買ったような気がする。

DRETEC 【容器を使わず手軽にはかれる】 スプーンスケール ホワイト PS-031NWT(Amazonでは¥1,620: 2016/30現在)

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無塩プチパンは「日持ちする『おにぎり』」のようなパンである。

トスカーナ料理店(川越市 estestest)のご主人に「無塩パン」を教えていただいてから,ほぼ,毎週のように作っている。

トスカーナはフィレンツェ観光しただけなので,本場の無塩パンを食したことはないが,なんとなく自己流で作っている。

estestestのご主人のお話では,「トスカーナ料理」は塩辛いものが多いので,パンの味を控えめにするのであるということであった。

一方,志賀勝栄さんの著書「パンの世界」においては,塩は「発酵を抑制する」と記されている(179頁)。

さて,無塩プチパンは便利なパンである。どう便利かというと,簡単に済ませたい昼食に便利なのである。主に,汁物と合わせる。

無塩プチパンとシチューの残り
無塩プチパンとシチューの残り
無塩プチパンは汁に浸す。まずい汁かどうか判別できる。
無塩プチパンは汁に浸す。まずい汁かどうか判別できる。
面倒な時はレトルトカレーと組み合わせる
面倒な時はレトルトカレーと組み合わせる
スパゲティの場合は少し,ソースの水分を多めにする
スパゲティの場合は少し,ソースの水分を多めにする

無塩プチパンはとても安いパンである。2016年3月27日バージョンの無塩プチパンのコストは1個あたり¥14である。

無塩プチパンの重さとコスト(2016年3月27日バージョン)
無塩プチパンの重さとコスト(2016年3月27日バージョン)
無塩プチパン焼成後の重さ(8個分)
無塩プチパン焼成後の重さ(8個分)

そして,パンは「発酵食品」であるから「保存し易い」食品である。スーパーで買う食パンは二日も経つと干からびて青カビが生える。しかし,リーンなパンは一週間やそこらは室温で保管できる。だから,私のパンは冷凍しない。

そして,食べたいときに,そのまま食べる。いつでも食べることができる「おにぎり」のようにである。

無塩プチパンは日持ちするおにぎりのようなパンなのである。そして,「安い!」

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パンを焼く日(2016年3月27日のパン三種類)

2016年3月27日のパン三種類。

無塩プチパンとパン・ド・カンパーニュ二種類(ライ麦粉有無違い)。

今日は,粉量は少なくて,1.45 kg。

無塩プチパンはリキッド・ルヴァンのみで発酵させる。

2016年3月27日のパン三種類
2016年3月27日のパン三種類

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オヤツ用としての薄力粉レーズンプチパン(2016年3月20日バージョン)詳細仕様

1.材料

薄力粉のレーズンプチパンはオヤツ用なので加糖した。よって,このパンはリーンなパンではない!!

薄力粉のレーズンプチパン材料
薄力粉のレーズンプチパン材料

加水率は53%相当である。これだけ加水すると,ドウはかなり柔らかい。成形のときの伸びも良い。

薄力粉のレーズンプチパン重さの割合
薄力粉のレーズンプチパン重さの割合
薄力粉のレーズンプチパンコスト割合
薄力粉のレーズンプチパンコスト割合

コスト割合のグラフを見るとレーズン発酵種とレーズンの合わせた値段が¥79となり,粉の値段¥63を上回る。すなわち,オヤツ用のパンは割高であるということである。食事用のパンであれば,もっと安くなる。グラニュー糖も決して安くはない。

また,粉量400gを8個のプチパンに成形したので,プチパン1個あたりとして¥19となる(端数切り上げ)。

2.工程表(実績)

レーズンプチパン工程表
レーズンプチパン工程表

赤矢印が作業工程である。合計で60分となる。成形の中にベンチタイム15分を含む。

3.焼成結果(焼成温度 200°C)

レーズンパン2016年3月20日バージョン
レーズンパン2016年3月20日バージョン
レーズンパン焼成後600g
レーズンパン焼成後600g
レーズンプチパンの裏面
レーズンプチパンの裏面

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日本人は何を食べさられているのか? 〜小麦編その1:小麦の値段〜

私のパン以外のブログに「日本人は何を食べされらているのか?」という記事が三つある。

・ブログ過去記事:『日本人は何を食べさられているのか?

・ブログ過去記事:『日本人は何を食べさられているのか?その2(塩豚のソテーから考える)

・ブログ過去記事:『日本人は何を食べさられているのか?その3(イチゴジャムを作ってみて)

このPane neroというのはパンのことしか書かないブログであるが,パンに関わることなら何でも書く。

よって,小麦のことは,重要な関心事なので,日本人が食べている小麦のことは,こちらのブログに書く。

日本人が食べている小麦は多面的に考えないとならない。しかし,どのような小麦を食べているのかということは知っていて良い。だから,何回かに分けて書く。一回で書けないほど,複雑のなのである。

資料は農林水産省が公開している「麦の需給に関する見通し(平成27年3月)」を基にする(URL:  http://www.maff.go.jp/j/seisan/boueki/mugi_zyukyuu/pdf/27_mitoosi.pdf )。

この資料は,麦に関する様々なことを教えてくれる。しかし,官庁の資料の特徴として理解し難いように記載されている。また,肝心なことは,明記されていない。そのため,いわゆる行間を読むという作業が必要になる。

この記事においては,輸入小麦の値段構成について考える。上記の資料を基に,小麦の政府売り渡し価格について考えると以下のような推定ができる。

表1 小麦の政府売り渡し価格値段構成推定(平成27年4月分)
表1 小麦の政府売り渡し価格値段構成推定(平成27年4月分)

上記農水省の資料の時点における小麦国際価格は約4.8 $/ プッシェルである。1トン当たりに直すと$220となる。これに,海上輸送費,為替,港湾諸経費が関係する。一方,平成27年4月の小麦政府売り渡し価格平均値は¥60,070である。

上記の農水省資料に用語が示されているが,小麦政府売り渡し価格にはマークアップと呼ばれる輸入差益が上乗せされている。その金額は,資料には明記されていない。よって,マークアップの金額は推定するしかない。

小麦輸入価格は,¥31,222と見積もれる。それに,港湾諸経費として15%を上乗せした。すると,¥35,905となる。この金額と政府売り渡し価格の差額がマークアップの額となる。推定すると,¥24,165となる。これは,政府小麦政府売り渡し価格の40%の相当する。

図1 小麦1トン当たりの政府売渡価格の構成(推定)
図1 小麦1トン当たりの政府売渡価格の構成(推定)

マークアップなるお金が,国内小麦栽培に利用されているであろうから,そのもの自体を批判するつもりはない。

ただし,以下の点において批判する。

1.マークアップは税金ではないということ:マークアップは,農水省が決めるものであって,財務省が決める税金ではない。しかし,国に入る差益なのであるから,「実質的には税金」と考えるべきである。つまり,パンを作る・食べるということは,国に「税金みたいなモノ」を納めていることになる。

2.マークアップにも消費税が課税されるということ:マークアップにも消費税が課税される。まるで,ガソリンの揮発油税に消費税が課税される二重課税と似た構造である。

このことは,小麦粉1 kgの値段として見てみたほうがわかり易い。

農水省の資料「輸入小麦の政府売渡価格について(価格公表添付資料)」(平成28年3月:URL http://www.maff.go.jp/j/press/seisaku_tokatu/boeki/pdf/160309-02.pdf)には,小麦粉の減価率が記載されていて,その値は27%である。その値を用いると小麦粉1 kgの値段構成を以下のグラフのように見積もることができる。

図2 輸入小麦粉1 kgの値段構成推定
図2 輸入小麦粉1 kgの値段構成推定

輸入小麦粉1 kgあたり,国には「マークアップが¥24.16」と「消費税¥17.8」が入ることになっている。合わせると¥41.96円である。小麦粉1 kgあたり税込価格の17.46%である。

食糧争奪―日本の食が世界から取り残される日』という実に「つまらない本」がある。しかし,何らか得るところはあって,この本の41頁に世界の主要穀物の輸出国と輸入国の表が掲載されている。

食糧争奪―日本の食が世界から取り残される日

小麦だけに関して言えば,輸出国トップ4は「米国,カナダ,EU25,オーストラリア」である。一方,輸入国トップ4は「ブラジル,エジプト,日本,アルジェリア・インドネシア」(2007年度)である(アルジェリアとインドネシアは同量)。日本に輸入されている小麦は,農水省資料によると米国産,カナダ産,オーストラリア産である。

相当昔。古代ローマ時代,エジプトは小麦の一大輸出地域であった。「パンとサーカス」として有名な古代ローマのパンはエジプトから輸入された小麦である。

そのエジプトが大量に小麦を輸入しているということに驚く。しかし,日本のように高価な小麦の値段としては販売されてはいないであろう。古代のピラミッドの頃からパンを食べてきたエジプトにおいて,「小麦税」なるものを課税したら,政変が起きるに違いない。

なお,古代ローマにおける「パンとサーカス」の「パン」とは,社会的弱者となったローマ市民に無料で小麦粉を配った(それなりに収入にある人には有料)ことを言う。つまり,当時の社会保障政策である。

「貧乏人は麦を食え」といった総理大臣も戦後いたが,今や,麦を食べるということは,とても高級なことになってしまった。

日本人は,いったい,食べるために,何のお金を払っているのであろうか?


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一週間におけるリキッド・ルヴァンの種継ぎパターンについて

私は,一週間のうち1日にまとめて数種類のパンを焼く(例えば,過去記事:パンを焼く日(2016年3月20日週のパン四種類))。そのパンのほとんどにリキッド・ルヴァンを使用している。

このような場合,リキッド・ルヴァンの種継ぎはとても面倒なものとなる。

以前は,週に何日かパンを焼いていたため,その都度種継ぎをすれば済んでいたが,週に1日しか焼かないということは,ドウ(パン生地)を作るのも週に1日のみである。

リキッド・ルヴァンのようなサワー種に分類される発酵種は乳酸菌がその主要成分であるから,そうは長く保たせることができない。

ライ麦粉のみから起こすサワー種であれば,「乾燥」という方法により保存が効く(舟田詠子著「パンの文化史 (講談社学術文庫)」pp. 68-71)ようであるが,取り扱いが容易なリキッド・ルヴァンではそうはいかない。

リキッド・ルヴァン中の乳酸菌寿命は不明である。しかし,一週間を保たせることは難しいであろう。そうなると,週に複数回の種継ぎが必要になる。

一方,ドウを作る際には,できるだけ「活きの良い」種を使いたい。そうやっているうちにできたリキッド・ルヴァンの種継ぎパターンが以下のようなものである。

一週間に1日しかパンを焼かない私のリキッド・ルヴァン種継ぎパターン
一週間に1日しかパンを焼かない私のリキッド・ルヴァン種継ぎパターン

パンを混捏するのは週末金曜日か土曜日である。焼成日は土曜日か日曜日である。そうなると,金曜日にはリキッド・ルヴァンをそれなりの量が欲しい。

リキッド・ルヴァンの種継ぎはほぼ1日でできるから,水曜日〜木曜日に粉量100g以上により種継ぎする。粉量の1.1倍の水を加えるから,リキッド・ルヴァンは220g以上できることになる。容器はボウルである。

リキッド・ルヴァン 種継ぎ完了後(約23時間)
リキッド・ルヴァン 種継ぎ完了後(約23時間)

元種は,パン焼成日となる土曜日か日曜日の翌日に行う。粉量は30〜50gである。元種は,ドウ混捏日に残った分を全て入れてしまう。これで,およそ,150g〜200g程度の種継ぎになる。容器は,ポリプロピレン製のタッパーを利用している(ダイソーのもの)。ボウルでは大きすぎるのである。

粉量少量のリキッド・ルヴァン種継ぎ完了後の状態
粉量少量のリキッド・ルヴァン種継ぎ完了後の状態

それを,水曜日の元種にする。すると,木曜日には,約350gを超えるくらいのリキッド・ルヴァンができることになる。

この方法で,三週間ほど種継ぎを行っているが,また,どうにかパンを作れている。

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パン・ド・カンパーニュ2016年3月20日バージョンの詳細仕様

1.材料

パン・ド・カンパーニュ2016年3月20日バージョンの材料詳細
パン・ド・カンパーニュ2016年3月20日バージョンの材料詳細

重さと費用の内訳をグラフ化すると以下のようになる。

なお,加水量は170g(加水率57%相当)である。よって,ドウ(パン生地)の重さは,823gとなる。

パン・ド・カンパーニュ2016年3月20日バージョンの材料重さ
パン・ド・カンパーニュ2016年3月20日バージョンの材料重さ
パン・ド・カンパーニュ2016年3月20日バージョンの材料費
パン・ド・カンパーニュ2016年3月20日バージョンの材料費

日本のライ麦粉が高価であることがわかる。しかし,ドウの発酵と焼成後の味を考えるとライ麦粉を使わない訳にはいかない。

なお,強力粉と薄力粉を混ぜることによりエネルギー成分は以下のようになる(100gあたり)。

粉のブレンドのよるエネルギー成分の変化
粉のブレンドのよるエネルギー成分の変化

2.工程

パン・ド・カンパーニュ2016年3月20日バージョンの工程実績
パン・ド・カンパーニュ2016年3月20日バージョンの工程実績

赤の矢印が手を動かさなければならなかった部分である。焼成中の35分を含み,55分に過ぎない。パン・ド・カンパーニュは手間がかからないパンであると考えることができる。さすがは,フランスの「田舎パン」である。男性が作ってみるのにとても適していると考える。

なお,焼成条件は200°C×35分である(過去記事:2016年3月20日週のパンの焼成条件参照)。

3.焼成結果

パン・ド・カンパーニュ2016年3月20日バージョン
パン・ド・カンパーニュ2016年3月20日バージョン
パン・ド・カンパーニュ焼成後770g
パン・ド・カンパーニュ焼成後770g

823gー770g=55gがどっかに行ったことになる。全体の6.7%である。

クラムの状態。

パン・ド・カンパーニュ2016年3月20日バージョンクラムの状態
パン・ド・カンパーニュ2016年3月20日バージョンクラムの状態

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2016年3月20日週のパンの焼成条件

2016年3月20日秋のパン(過去記事:パンを焼く日(2016年3月20日週のパン四種類))においては,焼成条件に関する実験を試みた。

 

2016年3月20日週のパン四種類
2016年3月20日週のパン四種類

簡単にいってしまえば,焼成温度を下げた。

・プチパン:230°C→200°C。

・パン・ド・カンパーニュ:210°C→200°C。

パンの文献(本ブログ:参考文献参照)を読んでいると,パンの歴史は1万年以上ある(1)〜(3)にもかかわらず,最新のパンの研究においても,その中心は,「発酵」に重点が置かれている(6)ー(8),(10)

しかし,パン作りにおける最終工程である焼成条件をどのように決めるかについての知見を得ることができない。

唯一,志賀勝栄さんの著書「パンの世界 基本から最前線まで (講談社選書メチエ)(1)において,フランスパンの代表であるバケットの焼成を高温(250°C)とし短時間(20 min)とする旨の記載がある。しかし,志賀勝栄さんのもう一つの著書「酵母から考えるパンづくり(4)を読むと上火255°C,下火225°Cとして,32 minとなっている。出版年が後者の著作の方が古いため,前者の著作の間にレシピが変わったことは考えられる。

このような背景においては,自分で作るパンの焼成条件は,自分で見出すしかない。

そのため,今回の記事のような実験を試みることになった。

温度を下げた動機は,パンを少し柔らかくするためである。私の作るパンはリーンなパンであり,いわゆるハード系と呼ばれるパンになる。しかし,リーンなパンは,時間の経過に伴い,内部(クラム)の水分が表面(クラスト)の染み出してるため,徐々に柔らかくなる。しかし,日数が一定以上すぎると,その染み出しが終わり,表面から乾燥し始める。よって,内部にどれだけ水分を保持されるかということがパンの日保ちに関係する。一方,焼成温度を下げると,パンの生焼けが起きやすい。表面に焼き色が付かない状態である。さらに,焼成条件には,焼成時間というもう一つのパラメータが関与する。

こういう,面倒なことは,理屈を考えるより,やってみる,つまり,「実験」する方が早く答えが出る。

実験において重要なのは,実験条件だけではなく,結果をどう評価するかである。評価方法を事前に決めておかないと,その実験は,全く意味をなさない。

今回の実験における評価項目は焼き色,釜伸び具合,および,クラムの状態とした。ただし,プチパンは切断していないため,焼き色と釜伸び具合となる。釜伸びは,下面の割れ具合で評価する。

結果を焼成の順番に示す。

1.無塩プチパン:焼成条件 200°C×24 min

無塩プチパン2016年3月20日バージョン上面
無塩プチパン2016年3月20日バージョン上面
無塩プチパン2016年3月20日バージョン下面
無塩プチパン2016年3月20日バージョン下面

2.プチパン:焼成条件 200°C×23min

プチパン 2016年3月20日バージョン上面
プチパン 2016年3月20日バージョン上面
プチパン2016年3月20日バージョン下面
プチパン2016年3月20日バージョン下面

3.レーズンプチパン:焼成条件200°C×20 min

レーズンプチパン2016年3月20日バージョン上面
レーズンプチパン2016年3月20日バージョン上面
レーズンプチパン2016年3月20日バージョン下面
レーズンプチパン2016年3月20日バージョン下面

4.パン・ド・カンパーニュ:焼成条件 200°C×35 min

パン・ド・カンパーニュ2016年3月20日バージョン
パン・ド・カンパーニュ2016年3月20日バージョン
パン・ド・カンパーニュ2016年3月20日バージョン下面
パン・ド・カンパーニュ2016年3月20日バージョン下面
パン・ド・カンパーニュ2016年3月20日バージョンクラムの状態
パン・ド・カンパーニュ2016年3月20日バージョンクラムの状態

上記の写真を見ると,上面の焼き色は,個人的判断であるが,妥当と考えている。また,1〜4すべてにわたって,下面の極端な焼き色(いわゆる焦げ)はない。

しかし,1の無塩プチパンと2のプチパンの下面には割れが多く発生している。3のレーズンプチパンと4のパン・ド・カンパーニュの下面の割れはないと考えてよいであろう。

4 パン・ド・カンパーニュのクラムの状態も,妥当と考えている。

上記の写真から考えて,プチパンおよびパン・ド・カンパーニュとも焼成温度を200°Cに低下させたことは,上面の焼き色から,問題なさそうである。しかし,プチパンの焼成時間23 minとか24 minは長時間過ぎたように思われる(下面に割れが生じてしまっていることにより)。

パン作りとは,すべての工程にトラップが仕掛けられている。全く気を抜くことができない作業だらけである。そういう作業は総じて「職人作業」と呼ばれるのであるが,エンジニアの作業は,「職人作業」を一つひとつ,理屈に当てはめて一般化することである。そういうことを,自作のパンに対して行っている。

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パンを焼く日(2016年3月20日週のパン四種類)

2016年3月20日週のパン四種類。

焼成順に。

1.無塩パン

・強力粉 250g

・薄力粉 250g

・リキッド・ルヴァン 63g

・白無花果発酵種+レーズン発酵種 82g

・加水率 55%相当

無塩パン 2016年3月20日バージョン
無塩パン 2016年3月20日バージョン
無塩パン 焼成後730 g
無塩パン 焼成後730 g

2.強力粉と薄力粉のプチパン

・強力粉 200g

・薄力粉 200g

・リキッド・ルヴァン 63g

・レーズン発酵種+白無花果発酵種 84g

・食塩 6g

・加水率 55%相当

リキッド・ルヴァン+レーズン発酵種+白無花果発酵種のプチパン
リキッド・ルヴァン+レーズン発酵種+白無花果発酵種のプチパン
プチパン焼成後 590g
プチパン焼成後 590g

3.レーズン発酵種のレーズンパン

・薄力粉 400g

・レーズン発酵種 100g

・食塩 6g

・グラニュー糖 12g

・レーズン 30gくらい

・加水率 53%相当

レーズンパン2016年3月20日バージョン
レーズンパン2016年3月20日バージョン

 

レーズンパン焼成後600g
レーズンパン焼成後600g

4.パン・ド・カンパーニュ

・強力粉 250g

・薄力粉 200g

・ライ麦粉 50g

・食塩 8g

・リキッド・ルヴァン 63g

・レーズン発酵種+白無花果発酵種 80g

・加水率 57%相当

パン・ド・カンパーニュ2016年3月20日バージョン
パン・ド・カンパーニュ2016年3月20日バージョン

 

パン・ド・カンパーニュ焼成後770g
パン・ド・カンパーニュ焼成後770g

・成形から焼成完了まで約5.5時間。成形2時間弱。焼成(オーブン予熱込み)3.5時間。

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食パンの値段に関する簡単な計算〜パンは自作がお得であるということ〜

農林水産省の政府小麦売り渡し価格値下げについてのブログ記事を書いた(過去記事:小麦の値段は7.1%安くなるのに食パンは〜〜)。

上記の過去記事においては、敢えて小難しく記事を書いた。敢えてである。

簡単に言うと、以下のようになる。

お店で買う食パンの値段は、政府小麦売り渡し価格の14倍以上である。小麦9円が、125円になっている。

一方、自作のパンは小麦粉の値段のみに影響されるので、政府小麦売り渡し価格の4倍以下の値段となる。

パンは、自作する方がお得なのである。

これは、製粉とパン作りの材料費コストの計算から容易に推定できる。

それぞれのコストを25%とすると、以下のような計算になる。

0.25
× 0.25
—————
= 0.0625=6.25%
—————

お米は、自宅で炊く。日本人ならば、当たり前のことである。たくさん食べたいなら、それが最も安い。

パンも同様ということである。

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