自分で作って食べるためのパンを考える(その4:ベンチタイム・成形)〜バターロールレシピへの疑問から〜

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この記事にはその1〜3までの過去記事があります。

自分で作って食べるためのパンを考える(その1:材料)〜バターロールレシピへの疑問から〜

自分で作って食べるためのパンを考える(その2:ドウ作り=生地捏ね)〜バターロールレシピへの疑問から〜

自分で作って食べるためのパンを考える(その3:一次発酵)〜バターロールレシピへの疑問から〜

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私が見ているバターロールレシピのベンチタイムと成形は以下のように記載されている。

一次発酵が完了したら(この文言はないが),

・12等分して生地を丸めて並べ,濡れ布巾を掛けて約10分間休ませる。

・麺棒で長細い三角形にのばし,幅の広いほうから巻いてロール型にする。

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おそらく,この記述だけにより,バターロールの成形をすることは,パン作りの経験がない人には不可能に近い。

私の経験も含めて,問題点を列挙していく。

1.生地を12等分することが難しいこと:このレシピを書いた人の頭の中には,一次発酵が完了した生地を『円形』にすることが想定されている。しかし,実際に一次発酵が終わった生地をボウルから取り出しても,円形ではなく,形はいびつである。

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一次発酵が終わって発酵容器から取り出した生地の私のパンの例 2016/2/18 13:23

円形にするためには,12等分する前に一手間かかる。それは,志賀勝栄さんの著書「酵母から考えるパンづくり」に記載されている,ベンチタイム前の形状の作り方を読めば理解できる。志賀さんの本では,その前の生地の形でさえ丁寧に解説されている(ベンチタイムとは何かについては,志賀勝栄さんの著書『パンの世界 基本から最前線まで (講談社選書メチエ)』223〜225頁を参照されたい)。

そして,仮に,円形に生地を成形できたとしても,『12等分』というのが,とても,厄介だ。一つの円から12等分するのであれば,円の外周を30°ごとに分割することになる。ホールケーキを切り分けた経験のある人ならわかるはずであるが,目視により,30°を測るのは容易ではない。90°ごと(つまり4分割は結構簡単だ)。しかし,6分割とは12分割は,難しい。特に,中心部分が,切り分けていくうちに,どんどん,潰れていく。

この作業は,『ご参考レシピ』として記載されるような簡単な技能ではなく,パン作りをある程度経験した人にしか,作業は,恐らくできない。

2.用意と片付けに困る濡れ布巾:パンのご参考レシピを読むと,どこかで,「濡れ布巾」というのが出てくる。これが,パンを作ろうとするとき,初心者には,とても困る。なぜなら,濡れ布巾にして良い布がないからだ。

かつての日本には,木綿製の手ぬぐいがあった。それを使えば,一応濡れ布巾にできる。しかし,今は,ほとんど,タオル生地の布巾であったり,ペーパータオルであったり,セルロース製布巾であったりする。つまり,手ぬぐいがない。

我が家に,手ぬぐいがないかといえば,あるが,パン作りのために使うと粉が付いて汚れる。洗えば済むが,小麦粉が付いた布を洗濯機に入れるわけにいかない。つまり,片付けに困る。

よって,私は,ベンチタイムであっても,濡れ布巾は使用していない。

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ベンチタイム開始 2016/2/18 13:27
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ベンチタイム終了 2016/2/18 13:42

3.麺棒で長細い三角形にのばすことの難しさおよび麺棒の必要性について:麺棒を使った人にしかわからないことであるが,麺棒で生地を形良くのばすのは難しい。形がいびつになるのである。まず,三角形にはならない。うまくいってもティアドロップの形(涙型)であろう。数学のトポロジー的に考えれば,三角形もティアドロップも同じとして扱えるが,パン作りでは異なるであろう。

なぜ,うまく三角形にならないかというと,生地の厚さが,均一ではないからである。それは,分割する前に丁寧に成形するかによる。そこの気遣いを怠ると,成形に失敗する。

そして,やはり,成形に麺棒が出てくる。パン作りの参考レシピに濡れ布巾と一緒に出てくるのが麺棒なのである。せっかく一次発酵させた生地を,なぜ,麺棒で潰さないといけないのか?という,疑問が湧く。志賀勝栄さんの著書「酵母から考えるパンづくり」に麺棒を使うレシピはない。すべて,手で成形する。そして,できるだけ,ガスを抜かない気遣いを伝えてくれている。そうだろう,そうだと思う。

そのため,志賀さんの本では,バターロールではなく,プチパンの成形方法が紹介さ   れている。私はプチパンをよく作るが,それは,上記の疑問に対する,志賀さんの本に記載された回答に依っている。

そして,成形が終わって二次発酵に移ると下の写真のようになる。

DSCN7563.jpg
二次発酵開始2016/2/18 14:45

12等分は難しいので8等分にして成形し,麺棒も使っていない。

一次発酵させた容器から麺打ち台に生地を取り出してからの所要時間は,ベンチタイムを含み22分である。この程度の時間であれば,ストレスにはならない。

ただし,この22分は,私のベストエフォートである。成形の時間を短くするために,プチパンの成形を両手で一つずつ,つまり,二個を一遍に行った。そのため,形は,少し雑である。しかし,一個ずつ成形しても,30分以内には,できるであろう。また,写真は,麺打ち台を片付けたり,その他の作業を終わって手を洗ってからカメラを手にしたから,正味の成形時間は22分よりも短い。

何を言いたいかというと,私は簡単にパンを成形している。一方,バターロールの参考レシピは難しいということである。

この一連のブログ記事は,パン作りを関係者があえて難しいものに思わせているのではないか?と,いうことについて,述べている。

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