パンを焼く日(その2−1:2016年2月21日週用のパン)

パンを三つも焼く日には,オーブンを無駄なく使いたい。そのためには,その日の作業工程を設計する必要がある。

工程設計というと難しい言い方をしているが,これは,職業柄くるためで,メモ書きが必要であるという意味である。

こんな簡単なものだ。

DSCN7604
2016/2/20 作業の計画書

オーブンの予熱を始めたら冷やすようなことはしたくない。電気代の無駄になるからだ。

だから,一気に焼きの工程を進める。

生地によって二次発酵時間が異なる。また,パンによって焼く温度も異なる。できれば,高い温度において焼くパンを先に焼いてしまって,低い温度を後にしたい。その方が,オーブンの予熱は楽になるはずだ(これはあくまで推定でしかないが)。

舟田詠子さんの著書,パンの文化史 (講談社学術文庫)(2013/12)には,スイスだったかドイツだったかの村において,パン焼き窯が,村で共同で使っていた頃まで,窯を管理する村の役人がいて,複数の人が1日にパンを焼こうとする場合には,くじ引きで公正を期していたと紹介されている。当時のパン焼き窯は薪を使う窯だから,最初の人は薪を多く使わないと窯を温めることができない。一方,窯はすでに暖かいから,順番の遅い人は薪の量を減らすことができる。折角集めた薪を使う量は少なくしたいのは,家庭の光熱費を気にする現代人と変わらない。だから,公正にくじ引きをしたのだという。

工程設計は,機械屋の得意とするところである。
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自分で作って食べるためのパンを考える(その2:ドウ作り=生地捏ね)〜バターロールレシピへの疑問から〜

自分で作って食べるためのパンを考える。その2。ドウ作り=生地捏ねについて

過去記事

自分で作って食べるためのパンを考える(その1:材料)〜バターロールレシピへの疑問から〜

バターロール 私のパン実例
・ボウルの小麦粉+ドライイースト+砂糖+食塩入れて軽く混ぜる=A:この段階で加水は未である。

・Aに卵,牛乳,水を加え混ぜあわせる=B。

・生地がまとまってきたらバターを加えてよくこねる。

・生地がベタつかなくなったら台の上に取り出し,たたきつけ,折り込みながら150〜200回こねる。〜こねる時間の目安は15〜20分間が目安である。

 

・ボウルに全ての材料を入れる=65%加水率程度なら全て。

・ボウルに手を入れ,全体を反時計回りに数回ぐるぐる回す(私は右気なので反時計回り)=この段階でグルテンの粘りが表れ,生地はまとまってくる。

・生地に粘りが出てきたら,右から左に折りたたみ力を入れて押す。そして,その生地を伸ばす。これを繰り返す。時々前後にも伸ばして折りたたむ。この折り返す回数を数える。

※この折りたたむというのは,元になる本がある。戸田盛和著,カオス―混沌の中の法則 (New science age),岩波書店(1991/10)

この本の46〜48ページにパイこねを数学的に扱うとどういうことになるのか?ということが記載されている。私が折りたたんでは伸ばすというのは,そのことを実践しているのに過ぎない。

経験的には,バケットでは折りたたむのは15回程度,下の写真では200回。

写真二枚の時刻に着目いただきたい。

材料を計量し終わった状態からドウの一次発酵に移る手前までの時間は8分である。

DSCN7539
パンの材料を捏ねる前:2016/2/17 20:12
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生地捏ねが完了した状態(一次発酵に移る直前):2016/2/17 20:20バターロールのドウ作り(ドウとは小麦粉を水で練ったものの総称:パン生地もお好み焼きの生地も天ぷらの衣も全てドウである:舟田詠子著,パンの文化史 (講談社学術文庫)(2013/12)を参照願いたい)において,力学的に不思議な工程がある。

 

*『生地がベタつかなくなったら台の上に取り出し,たたきつけ』の部分の『たたきつけ』である。

なぜ,たたきつけるという乱暴な作業が必要なのであろうか?折角できたグルテンが壊れなりしないのであろうか?

もったいぶっても仕方ないので,私の推論を提示する。このブログ記事を偶々お読み頂いた方が,私の推論が間違いであることをご存知であれば,是非,コメントなどにより,ご指摘をお願いしたい。

パン生地をたたきつける理由の私の推論:バターロールのドウには,水と卵と牛乳とバターが入っている。卵は水に溶ける(天ぷらの衣やお好み焼きの生地)。水と牛乳も混ざり合う(パンケーキの生地)。一方,水とバターは混ぜただけでは溶け合わない。理由はバターは油脂類であり,エステル基(新化学化学基礎+化学 (チャート式・シリーズ)の444〜446頁参照=平成26年4月1日版)を持つ。エステル基は水分子を弾く。

混じり合わないものを混ぜて発酵するようにドウにしようとするのであるから,何らかの工夫が要る。恐らくであるが,バターと小麦粉と水に衝撃力を加えて,外力により強制的に混ざり合わせる作業が『たたきつけ』というものであろう。

パン捏ね台とパン生地では,生地の方が柔らかい。生地に勢いをつけて(速度をつけて)台に叩きつけると衝撃力が発生するが,柔らかい生地の変形が大きなる。

逆の例を示そう。大きな隕石が大気中において燃え尽きずに地表面に落下するとクレータを作ることはよく知られている。月には大気がないため,無数のクレータがある。これは,隕石よりも地表面や月面の方が柔らかいために,地面の方が変形するだけでは止まらずに,地面をえぐり出して・撒き散らす。それがクレータである。その逆のことが,ロールパン生地作りの『たたきつけ』ではないかと推察する。

たたきつけることによって,バターはより小さな塊となって,グルテンの膜の中に入り込んでいく。グルテンの中に入れば,小麦と水とバターは同じ部屋で同居できる。

なお,バターロールの生地を作るレシピに記載がないのであるが,パン生地作りにはぬるま湯を使うことが多い。イーストが発酵し易くするためである。私はドライイーストはあまり使わないが,水は,ぬるま湯を使う。しかし,バターロールのレシピ通り15〜20分も捏ねていたら,折角のぬるま湯も冷めてしまう。

バターロールのドウの作り方だけを読んだら,パンなんか作りたいと思わないはずだ。

しかし,志賀勝栄著,『酵母から考えるパンづくり』(2007/04)高橋雅子著,『少しのイーストでゆっくり発酵パン—こんな方法があったんだ。おいしさ再発見!』(2007/1)にはドウを作るときに,乱暴な『たたきつける』ようなことは,一切記載されていない。それどころか,可能な限り丁寧に扱うようにと記載されている。

 

強力粉の袋に記載されているバターロールのレシピは,パンを自力で作る人を増やしたくないための煙幕ではないかと思いたくなる。

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