リーンなパン(その50:ルヴァン種+レーズン発酵種の無塩プチパンの試作)

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私が住んでいるのは埼玉県川越市である。

川越市は小江戸の街としてテレビなどでもしばしば紹介される城下町である。しかしながら,生粋の川越っ子ではない異邦人のような私は,職場が遠地にあることもあって,それほど,街に馴染んでいるわけではない。

私の自宅は,川越駅に近い(JR川越線+東武東上線川越駅,小江戸と知れられる蔵の街の最寄りは西武新宿線本川越駅)。辺りは,生活には便利であり,ほとんどが,徒歩で済む。そのため,今の私はクルマを持っていない(余計なことであるが,私は,元自動車のサスペンション設計を担当していたこともある)。

街にさほど溶け込んでいない私であるが,私を知っていてくれて,繰り返しお世話になるお店もある。

川越に住んで,街を歩いていると目に付くのは開業歯科医院,美容室,そして,イタリアンレストランの多さである。我が家から5分歩くだけで,それらが,片手の指を超える。

しかし,街に十年以上住んでいると,初めにお世話になったところに行くようになるもので,歯科医院も美容室(五十路のオヤジで短髪であるが,美容師と理容師のカットのデザイン性は異なる)とイタリアンレストランは決まったところに行く(フレンチは全くというほど行かない:理由はいつか書く時があるかも知れない)。ランチに行く店とディナーとして行く店は異なる。

この記事に書くパンはディナーに行く店のご主人でありシェフの方と短い会話で,作ってみようと思ったパンである。ちなみに,お店は,est.est.estというお店である。イタリアに詳しい方なら,EST!EST!!EST!!というのをご存知かも知れない。日本語に無理やり訳すと『美味い!美味い!!美味い!!!』であり,そのようなラベルのワインもあるし,ローマには確か,そういうリストランテもある。都内にもあったような気がする。

川越のest.est.estでの食事は,イタリア,特に,フィレンツェを中心とするトスカーナ地方に居る気分を感じさせてくれる。スパゲッティ一皿が¥1,000以上する。日本人が好きな定食的なコースメニューもない。アンティ・パストもパスタもメインもドルチェも自分で選ばなけばならない。高いワインは頼んだことはないが,ご夫婦が集められた沢山のワイン(Viniというべきか)もある。

ご主人から,少しだけ私のパンの見かけ(恥ずかしいので試食は,私の方から遠慮させて頂いている)についてお褒めの言葉を頂いた。

そして,イタリア トスカーナ地方のパンには『塩が入っていないものがある』と,教えて頂いた(2016年2月6日夕食でのことだ)。トスカーナ地方の料理は塩気が多いためであるそうだ。これは,補足がいるかもしれない。海に囲まれたイタリアの中でも,トスカーナ地方は内陸にある。そのため,肉料理が名物である。フレッシュな肉料理ではなく,煮込み料理であったり,ソーセージやハムなどの加工肉料理あったりする。そのため,塩気の多い料理になっているのであろう。日本の山間地の保存食は塩気が強い(漬物が代表的)が,それと似ている気がする。

どうでも良いことであるが,君主論を書いたマッキャベリは,フィレンツェ政庁官吏を失職した後,地元の居酒屋で,トランプとワインに興じていたのであるが(塩野七生著 わが友マキアヴェッリ―フィレンツェ存亡〈1〉 (新潮文庫)),彼が食べていた料理が,est.est.estで食している料理であるのであろうかとも思っている。

前置きが長くなった。パン作りの仕様と結果は以下の通りである。

1.材料

・強力粉:140 g

・薄力粉:60 g

・ルヴァン種(リキッドルヴァン):30 g

・レーズン発酵種:31 g

・水 84 g (種の水分と合わせて加水率65 %相当)。

2.一次発酵:室温(約22 °C)× 9 h

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捏ね上げ直後

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一次発酵終了とした状態

3.二次発酵:室温(約22 °C)× 1.5 h

4.成形:5個プチパン。イタリアならプチパンだと思った。

5.焼成条件:230 °C× 23 min(プチパンとしては長めだが,ローマとソレントで食べた噛むのが大変なパンをイメージした)。

 

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焼き上がり(下)

一次発酵が十分ではなかったため,釜伸びで,少し,生地が弾けた。発酵は課題が残った。
クラムは以下の感じ。

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塩なしパンクラム

少し,グルテンが少なかったようだ。もっと,密なクラムで良いと思う。なお,焼成にあたっては,アルミプレートを使った(アルミプレートに関しては,当ブログの過去記事がある)。焼き上がり(下)の焦げ目でわかるとおり,熱はしっかりと伝わっていそうである。

焼いて直ぐを食べてみたが,クラストはサクッと食感で甘みがあるのに,クラムは重く,味がしない。パンの塩がいかに味の決め手であるか理解できた。

しかし,一晩おいて,朝食時に食してみると,クラストは柔らくなり,クラムには微かな味がある。米を噛んでいると味がしてくるような感じである。カフェオレに浸してみたり,ジャムを少し付けてみたりしたが,それぞれの味を引き継ぐ。ジャムなしでも,大丈夫であろう。半熟の目玉焼んの黄身を塗ると美味しいかも知れない。我が家でしばしば作るフレッシュトマトのソースに絡めても良さそうだ。

発酵と成形に課題があるので,何かの機会に,再度試みることにする。

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